福井(6)

越前大野で宿泊した「三浦屋」は古びた宿だが、ご飯が普通においしかった。このあたりの名物は里芋だそうだ。雪はクリスマスイブごろから根雪になり、かなり積もるとか。

翌日は予報どおり雨。そんなに強雨でもないので、お城に登って降りて、市をやっていたので眺め、おろし蕎麦の店でそばをすすり、お寺を眺めて、バスで福井へ。なんとなくいい感じの町だった。

こまいぬ

お城のそばの神社。お城の天守閣が復元されていたが登ってみると微妙に縮小サイズだった。

お城の階段にいた見慣れない陸貝

別の神社。電脳コイルに出てくる神社みたい。

くずりゅう線。大変な苦労をして水害から復旧したが本数少なっ。並行して走っているバスのほうが主力。

福井(5)

さっきの地図の再掲。池の大谷はAとB(急勾配で苦しんだところ)の中間くらいの平らな部分である。

自分の持っている紙の地形図の点線は黄色の線のあたりについており、ピンクで描いた実際の唐谷コースとは大きくずれている。

これは出発前にウェブでみたGPSの記録で知っていたので驚かなかったが、帰宅後に確認したら、国土地理院のサイトにある地図では正しく直っていた(図の点線)。最近はGPSで誤りがわかるせいで、道の間違いがよく改訂されているように思う。

福井(4)

経ヶ岳は古い火山だそうだ。「池の大沢」は以前は噴火口と信じられていたが、実はそうではないとのこと。くぼ地の底は見事なブナの森になっているが、湿地なので、そこに行くよりも上から見ていたほうがよいかも。

くぼ地の終点からは目の回るような急降下。ところどころロープ場もあり、再び太ももがあああ、になった。下りに使う筋肉は登りのそれと違うように思うが、急勾配だとそうでもないようだ。

自分の足が心配な上に、いつもは速い連れが「考えごとしていた」とかで遅い私よりさらに遅れたりするので、気が気ではない。おじさんは先に行ってしまうが、要所で待っていてくれる。

そのうち沢の中を下るようになって、赤テープはないし、倒木も多くて道なのかどうか危ぶまれる。自分たちだけならGPSがあっても迷っていた可能性大である。実はおじさんも登りにこの沢から離れる場所でミスコースをして登りなおしになったとか。


ウェブの資料よりも渡渉が多かったが、水量は少なく問題は全くなし。やがて道がはっきりしてきて、ところどころに壊れた舗装が残る道に出た。ススキがきれい。

名所らしい「巨岩に彫られたお地蔵さま」の前を通った。間違えてはいけないが、お地蔵さまはほぼ普通サイズで、それが掘ってある岩が巨大なのだった。

無事に登山口に着いて、おじさんと少し話す。山頂から降りる前にタクシー会社に電話して待ち合わせ場所を変更してもらったのだが、ここでもauが通じた。おじさんが車で送っても良いと言ってくださって有り難いが、タクシー会社への義理があるので、それは断った。

駅に着いて、座席を立とうとしたら太ももがこわばってまともに歩けない。宿でも階段を横向きに登る羽目になった。

福井(3)

頂上に着いた。冠雪した白山やまだ無雪の赤兎山、荒島岳がよくみえる。しかしここにも大勢ひとがいて、わざわざ東京近郊から混雑したところに来たかと思うと、なんだか悲しい気分になった。

ふと見ると、笹の間に道が見えるので偵察に行くことにする。20メートルも行くとトンネル状にカブってきて、どうしようかと思って振り返ると、知らないおじさんがいた。

聞くと、その人はこのあたりの山をだいぶ登っているらしく、この道が経ヶ岳の北峰を経て赤兎山方面への縦走路の入り口だということや、途中のヤブにある三角点を教えてくれた。

そしてこれが朗報なのだが、唐谷コース、つまりさっきトイレとして使われていた道から登ってきたという。で、よければ連れて一緒に下っても良いとのこと。

県別シリーズの「福井の山」には唐谷から登る道が示されていて、私も最初はそちらから登るつもりだった。とろが、ウェブでみるとかなり道が薄いということで、大野市役所でも「人は通っていると思うが刈り払いの対象外」とのことだったので、やめたのだが、こう混むのならそっちにすればよかったと思っていたところだった。

・・というわけで、めったに現地で会った人についていったりはしないのだが、今回は例外的に導師に頼ることにした。

といっても、まずさっきの急傾斜を降りないといけない。結局、ところどころで泥壁を後ろ向きで降りる羽目に。岩場をクライムダウンすると立派な山登りをしている気がするが、泥壁だとなんだか反省中の穴熊みたいな気分になる。

ふと気づくとまだ分岐点でないのにだいぶ人が減っている。さっきは人波のピークだったのか。

泥壁を降りた分岐から「池の大谷」に降りて、頂上を見上げたところ。見事に紅葉している。

福井(2)

福井から移動した日と越前大野に泊まった翌日の両方、山に登る予定だったのだが、2日目の雨がほぼ確定のため、1日目だけということで経ヶ岳を選んだ。福井には3つ経ヶ岳があるそうだが、一番高い、といっても1600m台の経ヶ岳である。

AのあたりとBのあたりが急。

結果的にはへばってしまい翌日はボロボロ、しかも2日目に狙っていた鳩ヶ湯からの赤兎山は実はそうとう大変らしいので、雨で助かったのかもしれない。

ついでにいえば、鳩ヶ湯にはこれで2年連続で予約をとりそこねている。日曜日の夜は休業という不思議な宿である。

経ヶ岳にしたのは、百名山荒島岳よりも空いていて、かつウェブの情報だと評判が良いという理由だったが、福井県民の紅葉の山への熱意と車の所有数、経ヶ岳のローカルな知名度、などを完璧に読み間違えてました。越前大野駅からタクシーで登山口に着くと、そこはすでに車だらけ。

登り始めるとすぐに前後を人に挟まれてしまい、やりすごしても抜いても、いくらでも出てくる。しかもなんだか大騒ぎして登っている人が多く、山の雰囲気が出ない。「ヤッホー」と気勢上げまくりの子供がいると思ったらおばさんだった。山に来てタガが外れてしまったらしい。

しかも、彼らは概して私より速いのである。無念残念、ペースを乱されて一気に不調に。尾根通しのコースなので結構ながくてきつい。岩場や痩せた尾根、はしごなどもあまり危険でない程度にあり、人が少ないときにゆっくり歩けば良さそうな道である。

最後の急登の前で休もうとしたら、沢山の人が休んでいて、分岐のほうをチェックしようとすると「いまトイレだから」。それはマイナーコースの道で皆さんのトイレじゃないってば。

で、ほぼそのまま土壁の急登に人が列をなしているところに突入。ふともも攣ってきて人に抜かれて、上からも人が降りてきて。。 とうとう携帯電話で通話中のおじさんに抜かれて泣きたくなった。

人がいないタイミングで撮ると、こんなに素敵なのだが。

福井(1)

いままで福井というと若狭・滋賀の県境しか行ったことがなかった。今回は福井のビジネスホテルで前泊してから、越美北線(くずりゅう線)で福井嶺北の奥深く、越前大野まで侵入しようという計画である。

福井駅で降りるのも実はこれがはじめて。だいぶ以前、金沢に行ったときに福井駅のホームを車中から眺めたが、あとで調べるとその前後に故・森毅先生が大火傷をされていたのだった。

登山であるから、朝イチの電車、まだ夜明け前のに乗った。「サンダーバード」や「しらさぎ」の止まるホームに並んでいるのに、止まっている車両が可愛い。なぜか運転手さんが2名いて、運転の訓練中のようであった。

しだいに夜が明けてゆくと、列車は朝霧の中を走る。

この列車のために来たわけではないので、思わぬおまけだが、なんと美しい。

鈴鹿(4)

根の平峠についたが、時間が予定よりだいぶ遅い。

予定ではこれから、西側(滋賀県側)の短い周回コース、上水晶谷に降りて愛知川(神崎川)源流に合流、愛知川沿いに歩いてから元に戻る、というのを歩く。

なんかこのルート(閉曲線)の形が可愛くて素敵だ。

鈴鹿上高地」と地元ではいわれているそうで、人も少なそうだし、是非いってみたい。しかし、道標や赤テープもあることはあるが、メインのコースにくらべると道が薄いという話で、鈴鹿2回目の初心者が行って平気かどうかちょっと心配。

しかし、峠で休んでいたこの山域の経験豊富なおばさんに励まされ、GPSもちゃんと稼動しているようなので、頑張っていくことにする。

結果は無事で、13時から15時まで2時間ほど、ちょっとどきどきしたときもあって楽しかった。とくに、愛知川ぞいを歩く部分はウェブの情報どおり薄かったが、相方が赤テープ探しにすぐれているので、大体おまかせで大丈夫。

ただ、愛知川から離れるポイントはGPSがなければ見過ごしたかもしれない(そのままいくと川に沿って大瀞のほうに行く道に入ってしまう)。 少し戻ってみたら、川の上の枝に赤テープが結んであった。もう一箇所、そのあと分岐まで登るところで、登る小沢の対岸にわたるところが難しかった。

やはり紅葉のせいか、縦走路よりはずっと少ないが、結構人はいて、大勢のグループにも会った。

根の平峠に戻ってからは、一気に朝明までくだって15時30分駐車場着、朝の運転手さんに頼んだ車が16時に来て、無事終了。運転手さんは朝とは違う大阪出身の人でノリがよくて面白かった。

立派な道標があるところもある。

このあたりが鈴鹿上高地の雰囲気か。上高地というのは花崗岩で川原が白いのを梓川にたとえたのかもしれない。実際は起源の異なる白い岩と青い岩が混在する。

赤マークを見つけるとほっとする。細いテープが多いがこれは赤帯(これもテープかな)。最初のところはピンクリボンだったがすぐ消えた。最後の登りなおすことろは青テープだったような。



来年は、この北のほうを歩いて謎の天狗の形の岩(金運が上がるという)にお参りしたいが、噂では大瀞のほうではGPS電波の届かぬ闇の地帯もあるとか。また、大瀞では、パラソルを立ててビキニで泳いでいた若い女性たちを目撃したという情報があるが、あるいは人でなく妖かもしれない。